Classici giapponesi con furigana
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ちじょう
地上
島田 清次郎
Leggi 地上 (ちじょう) di 島田 清次郎 (しまだせいじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 175.250 caratteri · 350 schermate
顔を動かす度に、顔が紫色に光り、口紅の濃い色が鬼のように大きく濡れて光る。
「もう何時なの」時子は菊龍に訊いた。菊龍は眠気がさして困っていた。坐っていると結い立ての島田髷が重苦しく、根本から頭の髄が重い鉛玉でも乗せたようにしかまってくる。すると身体全体が溶けるような倦怠と痛みを覚えて、無意識な昏迷に引きずり入れられようとする。白光はうつむきがちな彼女の頸のきめの粗いざら/\した白粉膚に紫光を放って反映した。
「菊ちゃん、居眠りなんかして不景気じゃなくって!」
「はあっ?」菊龍は顔をあげて、
「まだ九時すぎだわ」と言った。
「なんだか今夜は暇じゃないの」
「だって、まだ時間も早いんだわ」
「さっきはほんとに馬鹿馬鹿しかった。ほんとうに」
「だって、時ちゃんはまだいいわ。わたしはまだ何処からも言って来やしないわ」
「菊ちゃんはこの間から嫌という程招ばれたからいいじゃないの」
「ま、またあんな悪いことを言うのよ」
菊龍は眠気で動かない顔面の筋肉を不器用にゆがめて笑った。それを見て情けない、嫌あな顔をするのは茂子だった。彼女はうつむいて、小さな莨盆の小さな赤い火をみつめていた。