Classici giapponesi con furigana
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ちじょう
地上
島田 清次郎
Leggi 地上 (ちじょう) di 島田 清次郎 (しまだせいじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 175.250 caratteri · 350 schermate
ああ、己はどんなにこの世界もこの己も何もかも一切を無くしてしまいたいことだろう。しかし、もし己が死んだとする、さらに何か新しい世界、新しい己が何か違った状態で己に来はしないだろうか。それが心配でならないのだ。石塊になるのも、草木になるのも、動物になるのも、人間になるのも、神とやらになるのも何もかも己には嫌だ。ほんとに死が何も無くなるものであるということが確かめられているか。いまい。かえってもろ/\の宗教や哲学は死が真の滅亡でないと言っている。己にはそれが心配だ。己にはそれが心配で死ぬことも出来ず、毎日牢獄の一つである新聞社に通って、囚人のように働き、囚人のように飯を食い、せめては酒を飲み、くだらない文章をつづり、またお前という女とも恋らしいものをしてみているのだ。厭世的な享楽主義とでもいう奴があれば、言わしておくさ。厭世どころでないのだ。そんな「厭世」という意義からが厭でならないのだ。静子、何んだかもう書くのも厭になって来た。もう止そう。書きはじめるときはもう少し可愛い即興で書きはじめたのだが、とう/\こんなものになってしまった。おいで、せめて酒でも飲んでお前でも抱くのがせめてものことだ。