Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちちゅうま

地中魔

海野 十三

Leggi 地中魔 (ちちゅうま) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.599 caratteri · 50 schermate

Aozora Bunko

赤鉛筆で書いた大きい輪が、室町の辺に幾重にも重っていた。

「すると、どうしても、ここのところが怪しいわけだ」

と三吉は鉛筆の尻で、地図の上を叩いた。「よし、こいつはどうしてやるかな」

三吉は地図の上に、すべての注意を集めているようだった。もう少しよく気をつけているなれば、そのとき人気のない奥の方でカタリ、コトリと小さい音のするのが聞えたはずだ。鼠でも出ているのか。

いや鼠ではないようだ。この事務所には有名な大きな井戸のあることは、記憶のよい皆さんはご存じであろう。その井戸はいつも黒い大蓋がしてあるのだ。その黒い大蓋がひとりで、ソロソロと持ち上ってくるではないか。誰も井戸の側にはいないのに大蓋はスクスクと持ち上ってくる。化物屋敷か? それとも何者?

三吉は、いよいよ地図と夢中に首っぴきである。しかし彼の足は、床下から出た二つの踏み釦の上に軽く載っている。それは果して故意か偶然か。いや、何にしても不思議なこの場の光景ではある。

三吉の大危難

ソロソロと持ち上った大蓋から、やがて一本の手が生えた。つづいて何か釘ぬきのようなものが……。

もし人が見ていたなら、物凄さに、あッと声をたてたかも知れない。