Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうふ

坑夫

夏目 漱石

Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate

Aozora Bunko

「飯でも食うべえ」

と一人が云うと、みんな忘れものを思い出したように、

「飯を食って、また交替か」

「今日は少し寒いぞ」

「雨はまだ降ってるのか」

「どうだか、表へ出て仰向いて見な」

などと、口々に罵りながら、立って、階下段を下りて行った。自分は広い部屋にたった一人残された。自分のほかにいるものは病人の金さんばかりである。この金さんがやっぱり微な声を出して唸ってるようだ。自分は囲炉裏の前に手を翳して胡坐を組みながら、横を向いて、金さんの方を見た。頭は出ていない。足も引っ込ましている。金さんの身体は一枚の布団の中で、小さく平ったくなっている。気の毒なほど小さく平ったく見えた。その内唸り声も、どうにか、こうにかやんだようだから、また顔の向を易えて、囲炉裏の中を見詰めた。ところがなんだか金さんが気に掛かってたまらないから、また横を向いた。すると金さんはやっぱり一枚の布団の中で、小さく平ったくなっている。そうして、森としている。生きてるのか、死んでるのか、ただ森としている。唸られるのも、あんまり気味の好いもんじゃないが、こう静かにしていられるとなお心配になる。心配の極は怖くなって、ちょっと立ち懸けたが、まあ大丈夫だろう、人間はそう急に死ぬもんじゃないと、度胸を据えてまた尻を落ちつけた。