Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうふ

坑夫

夏目 漱石

Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate

Aozora Bunko

どんなもんだろうと思い出した。

「すのことはどんなもんですか」

「なに?」

と初さんが後を振り向いた。

「すのことはどんなもんですか」

「穴だ」

「え?」

「穴だよ。――鉱を抛り込んで、纏めて下へ降げる穴だ。鉱といっしょに抛り込まれて見ねえ……」

で言葉を切ってまたずんずん行く。

自分はちょっと立ち留った。振り返ると、入口が小さい月のように見える。這入るときは、これがシキならと思った。聞いたほどでもないと思った。ところが初さんに威嚇かされてから、いかな平凡な隧道も、大いに容子が変って来た。懲役笠をたたく冷たい雨が恋しくなった。そこで振り返ると、入口が小さい月のように見える。小さい月のように見えるほど奥へ這入ったなと、振り返って始めて気がついた。いくら曇っていてもやっぱり外が懐かしい。真黒な天井が上から抑えつけてるのは心持のわるいものだ。しかもこの天井がだんだん低くなって来るように感ぜられる。と思うと、軌道を横へ切れて、右へ曲った。だらだら坂の下りになる。もう入口は見えない。振返っても真暗だ。小さい月のような浮世の窓は遠慮なくぴしゃりと閉って、初さんと自分はだんだん下の方へ降りて行く。