Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうふ

坑夫

夏目 漱石

Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate

Aozora Bunko

カラララン。カカラアン。……

初さんが留った。

「聞えるか」

「聞えます」

「スノコへ鉱を落してる」

「はああ……」

「ついでだからスノコを見せてやろう」

と、急に思いついたような調子で、勢いよく初さんが、一足後へ引いて草鞋の踵を向け直した。自分が耳の方へ気を取られて、返事もしないうちに、初さんは右へ切れた。自分も続いて暗いなかへ這入る。

折れた路はわずか四尺ほどで行き当る。ところをまた右へ廻り込むと、一間ばかり先が急に薄明るく、縦にも横にも広がっている。その中に黒い影が二つあった。自分達がその傍まで近づいた時、黒い影の一つが、左の足と共に、精一杯前へ出した力を後へ抜く拍子に、大きな箕を、斜に抛げ返した。箕は足掛りの板の上に落ちた。カカン、カラカランと云う音が遠くへ落ちて行く。一尺前は大きな穴である。広さは畳二畳敷ぐらいはあるだろう。箕に入れたばらの鉱を、掘子が抛げ込んだばかりである。突き当りの壁は突立っている。微なカンテラに照らされて、色さえしっかり分らない上が、一面に濡れて、濡れた所だけがきらきら光っている。

「覗いて見ろ」

初さんが云った。穴の手前が三尺ばかり板で張り詰めてある。