Classici giapponesi con furigana
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こうふ
坑夫
Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate
母は寝られないと手水に起きる。中庭の小窓を明けて、手を洗って、桟をおろすのを忘れて、翌朝よく父に叱られている。昨夜も今夜もきっと叱られるに違ない。澄江さんはぐうぐう寝ている――どうしても寝ている。自分のいる前では、丸くなったり、四角になったりいろいろな芸をして、人を釣ってるが、いなくなれば、すぐに忘れて、平生の通り御膳をたべて、よく寝る女だから、是非に及ばない。あんな女は、今まで見た新聞小説にはけっして出て来ないから、始めは不思議に思ったが、ちゃんと証拠があるんだから確かである。こう云う女に恋着しなければならないのは、よッぽどの因果だ。随分憎らしいと思うが、憎らしいと思いながらもやッぱり惚れ込んでいるらしい。不都合な事だ。今でも、あの色の白い顔が眼前にちらちらする。怪しからない顔だ。艶子さんは起きてる。そうして泣いてるだろう。はなはだ気の毒だ。しかしこっちで惚れた覚もなければ、また惚れられるような悪戯をした事がないんだから、いくら起きていても、泣いてくれても仕方がない。気の毒がる事は、いくらでも気の毒がるが仕方がない。構わない事にする。――そこで最後には、ほかの事はどうともするから、ただ安々と楽寝がさせて貰いたい。