Classici giapponesi con furigana
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こうふ
坑夫
Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate
だから本当に煩悶を忘れるためにはやはり本当に死ななくっては駄目だ。ただし煩悶がなくなった時分には、また生き返りたくなるにきまってるから、正直に理想を云うと、死んだり生きたり互違にするのが一番よろしい。――こんな事をかくと、何だか剽軽な冗談を云ってるようだがけっしてそんな浮いた了見じゃない。本気に真面目を話してるつもりである。その証拠にはこの理想はただ今過去を回想して、面白半分興に乗じて、好い加減につけ加えたんじゃない。実際汽車が留って、不意に眼が覚めた時、この通りに出て来たのである。馬鹿気た感じだから滑稽のように思われるけれどもその時は正直にこんな馬鹿気た感じが起ったんだから仕方がない。この感じが滑稽に近ければ近いほど、自分は当時の自分を可愛想に思うのである。こんな常識をはずれた希望を、真面目に抱かねばならぬほど、その時の自分は情ない境遇におったんだと云う事が判然するからである。
自分がふと眼を開けると、汽車はもう留っていた。汽車が留まったなと云う考えよりも、自分は汽車に乗っていたんだなと云う考えが第一に起った。起ったと思うが早いか、長蔵さんがいるんだ、坑夫になるんだ、汽車賃がなかったんだ、生家を出奔したんだ、どうしたんだ、こうしたんだとまるで十二三のたんだがむらむらと塊まって、頭の底から一度に湧いて来