Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうふ

坑夫

夏目 漱石

Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate

Aozora Bunko

つまり長蔵さんは働かせる事を商売にするんで、けっして自分一人を非常な適任者と認めて、それで坑夫に推挙した訳ではなかった。おおかたどこで、どんな人に、幾人逢おうとも、版行で押したような口調で御前さん働く気はないかねを根気よく繰返し得る男なんだろう。考えると、よくこんな商売を厭きもせず、長の歳月やられたものだ。長蔵さんだって、天性御前さん働く気はないかねに適した訳でもあるまい。やっぱり何かの事情やむを得ず御前さんを復習しているんだろう。こう思えば、まことに罪のない男である。要するに芸がないからほかの事は出来ないんだが、ほかの事が出来ないんだと意識して煩悶する気色もなく、自分でなくっちゃ御前さんをやり得る人間は天下広しといえども二人と有るまいと云うほどの平気な顔で、やっている。

その当時自分にこれだけの長蔵観があったらだいぶ面白かったろうが、何しろ魂に逃げだされ損なっている最中だったから、なかなかそんな余裕は出て来なかった。この長蔵観は当時の自分を他人と見做して、若い時の回想を紙の上に写すただ今、始めて序の節に浮かんだのである。だからやッぱり紙の上だけで消えてなくなるんだろう。