Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
こうふ
坑夫
Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate
赤毛布を手に入れてから、二十分と立たないうちにまたこの小僧を手に入れた。そうして二人とも自分よりは遥に根が抜けている。こう続々同志が出来てくると、行く先は山だろうが、河だろうが、あまり苦にはならない。自分は幸か不幸か、中以上の家庭に生れて、昨日の午後九時までは申し分のない坊ちゃんとして生活していた。煩悶も坊ちゃんとしての煩悶であったのは勿論だが、煩悶の極試みたこの駆落も、やっぱり坊ちゃんとしての駆落であった。さればこそ、この駆落に対して、不相当にもったいぶった意味をつけて、ありがたがらないまでも、一生の大事件のように考えていた。生死の分れ路のように考えていた。と云うものは坊ちゃんの眼で見渡した世の中には、駆落をしたものは一人もない。――たまにあれば新聞にあるばかりである。ところが新聞では駆落が平面になって、一枚の紙に浮いて出るだけで、云わばあぶり出しの駆落だから、食べたって身にはならない。あたかも別世界から、電話がかかったようなもので、はあ、はあ、と聞いてる分の事である。だから本当の意味で切実な駆落をするのは自分だけだと云うありがたみがつけ加わってくる。