Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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まど

堀辰雄集 新潮日本文学16

堀 辰雄

Leggi 堀辰雄集 新潮日本文学16 (まど) di 堀 辰雄 (ほりたつお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 58.906 caratteri · 119 schermate

Aozora Bunko

――私はお前の心を閉じてしまわせずに、そこのところをよく分って貰うためには、どういうところから云い出したらいいのであろうか。いまからその言葉を用意しておいたって、それを一つ一つお前に向って云えようとは思えない、――それよりか、お前の顔を見てから、こちらが自分をすっかり無くして、なんの心用意もせずにお前に立ち向いながら、その場で自分に浮んでくることをそのまま云った方がお前の心を動かすことが云えるのではないかと考えた。……そう考えてからは、私はつとめてお前のことから心を外らせて、自分の頭上の真黄いろな楡の木の葉がさらさらと音を立てながら絶えず私の肩のあたりに撒き散らしている細かい日の光をなんて気持がいいんだろうと思っているうちに、自分の心臓が何度目かに劇しくしめつけられるのを感じた。が、こんどはそれはすぐ止まず、まあこれは一体どうしたのだろうと思い出した程、長くつづいていた。私はその腰かけの背に両手をかけて漸との事で上半身を支えていたが、その両手に急に力がなくなって……

菜穂子の追記

此処で、母の日記は中絶している。その日記の一番終りに記されてある或る秋の日の小さな出来事があってから、丁度一箇年立って、やはり同じ山の家で、母がその日のことを何を思い立たれてか急にお書き出しになっていらしった折も折、再度の