Classici giapponesi con furigana
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ほうおんき
報恩記
Leggi 報恩記 (ほうおんき) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.803 caratteri · 30 schermate
いずれ明日か明後日の夜、もう一度ここへ忍んで来ます。あの大十字架の星の光は阿媽港の空には輝いていても、日本の空には見られません。わたしもちょうどああ云うように日本では姿を晦ませていないと、今夜「みさ」を願いに来た、「ぽうろ」の魂のためにもすまないのです。
何、わたしの逃げ途ですか? そんな事は心配に及びません。この高い天窓からでも、あの大きい暖炉からでも、自由自在に出て行かれます。ついてはどうか呉々も、恩人「ぽうろ」の魂のために、一切他言は慎んで下さい。
北条屋弥三右衛門の話
伴天連様。どうかわたしの懺悔を御聞き下さい。御承知でも御座いましょうが、この頃世上に噂の高い、阿媽港甚内と云う盗人がございます。根来寺の塔に住んでいたのも、殺生関白の太刀を盗んだのも、また遠い海の外では、呂宋の太守を襲ったのも、皆あの男だとか聞き及びました。それがとうとう搦めとられた上、今度一条戻り橋のほとりに、曝し首になったと云う事も、あるいは御耳にはいって居りましょう。わたしはあの阿媽港甚内に一方ならぬ大恩を蒙りました。が、また大恩を蒙っただけに、ただ今では何とも申しようのない、悲しい目にも遇ったのでございます。