Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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とうじょうのきじゅつし

塔上の奇術師/鉄人Q

江戸川 乱歩

Leggi 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 151.766 caratteri · 303 schermate

Aozora Bunko

刑事は、ほそびきを一度もはなしませんでした。怪老人は、ただちょっとの間、公衆電話の箱の中へはいったばかりです。

その中に、この若い男がかくれていて、老人とすりかわったのでしょうか。しかし、そんなことは、できっこありません。刑事は、ほそびきの二本のはじを、にぎっていたのです。老人のほそびきをといて、この男がしばられるなんて、そんなことが、できるはずはないのです。

「さては、きさま、老人に変装していたんだなっ。電話ボックスの中で、つけひげや、しらがのかつらをとって、そんな顔にかわったんだなっ。」

刑事がどなりつけますと、若者は、あわててわけをはなしました。

「いえ、そうじゃありません。ぼくは、このすぐそばのアサヒ屋という文房具店の店員です。つい三十分ぐらいまえ、あの電話ボックスのそばを歩いていますと、ふたりの男がいきなり、くらやみの中から近づいてきて、ぼくに手錠をはめ、こんなにしばって、電話ボックスの中へ押しこんでしまったのです。そのとき、ひどく、頭をなぐられたので、気が遠くなって、グッタリしていたのですが、そこへ、あの老人がとびこんできて、いきなり電球を割ってしまったのです。