Classici giapponesi con furigana
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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
Leggi 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 151.766 caratteri · 303 schermate
小林少年はたまらなくなって、つかつかと、一郎青年の前に近よりました。
「うそだッ、それはみんなうそだッ。怪人四十面相は、まだ逃げだしていない。この部屋の中にいる。」
といって、一郎青年をにらみつけました。
「ワハハハ……。小林君、なにをいっている。四十面相が、この部屋にいるんだって?」
一郎青年は、さもおかしそうに笑いだしました。
「どこにいるんだね?」
「そこに!」
「そことは?」
小林少年は、一郎青年の顔に、人さし指をさしつけました。
「きみだッ! きみが怪人四十面相だッ!」
「ワハハハハ……。なにをねぼけているんだ。ぼくは、ここのうちのむすこの一郎だよ。しっけいなことをいうなッ!」
そのときです。入口のドアがパッとひらいて、そこから、ほんものの一郎青年が、つかつかとはいってきました。そのうしろから、スミ子ちゃんが、にいさんのかげにかくれるようにして、はいってきます。
そして、ふたりの一郎青年がむかいあって、部屋のまん中につっ立ったのです。ほんもののほうが、四十面相のきていた服をつけ、にせもののほうが、一郎さんの服をきているので、どちらがほんものとも、見わけがつきません。