Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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とうじょうのきじゅつし

塔上の奇術師/鉄人Q

江戸川 乱歩

Leggi 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 151.766 caratteri · 303 schermate

Aozora Bunko

淡谷スミ子ちゃんと森下トシ子ちゃんが、いま、マユミさんといっしょに、この原っぱをさんぽしているのは、そういうあいだがらになっていたからです。

「もうじき、日がくれるわね。帰りましょうか。」

マユミさんがいいますと、淡谷スミ子ちゃんは、

「ええ、でも、もうすこし。マユミねえさま、あの林のむこうに、へんなうちがあるのよ。それを見て帰りましょうよ。ほら、ここからも見えるわ。ね、塔みたいな屋根が見えるでしょう。」

スミ子ちゃんが指さすほうをながめますと、林の木の上から、ふるい西洋の写真にあるような、スレートぶきの、とんがり帽子のような屋根が、空にそびえていました。

「まあ、古城の塔みたいね。こんなさびしいところに、どうして、あんなたてものがあるのでしょう。」

マユミさんが、ふしぎそうにいいました。

「おとうさまから聞いたのよ。むかし、丸伝という、日本一の大きな時計屋さんがあったんですって。その時計屋さんが、こんなさびしいところへじぶんのうちをたてて、屋根の上に時計塔をつくったんですって。

いまは、だれも住んでいないあき家なのよ。このへんの人は、時計やしきとか、お化けやしきとかいって、こわがっているんです。