Classici giapponesi con furigana
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しおをのせたふね
塩を載せた船
小川 未明
Leggi 塩を載せた船 (しおをのせたふね) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5881 caratteri · 12 schermate
「まあ、こんなになってしまったのか?」と、彼は、その荒れ果てた野原の中に立って、足もとに散らばった材木や、ものの壊れたのや、大きな家が建っていた跡らしい、礎などを見まわしながら、いろいろの思いにふけったのです。
彼は、あまりのはげしい変わり方と、あわただしいできごとのために、なにを思うともなく、しばらくは、ただぼんやりとしていました。
そのうちに、青ざめた月が空に上りました。そして、この荒れはてた景色と、ぼんやりと考え込んでいる哀れな乞食とを照らしたのです。
そのとき、月が、うなだれている乞食の耳もとにささやいたのであります。
「大きな海嘯で、みんな沖へ持っていかれてしまった。しかし、まだすこしは残っていよう。おまえが、いつかなにかくださいと頼んだとき、なにもやるようなものはないといったが、まあ、あすこをごらん、あんなに光っているものがある。あれはダイヤモンドだ。ぜいたくな女の指にはめた、指輪についていたのだ。まあ、あすこをごらん、あんなにぴかぴか光っているものがある。あれは、強欲なじいさんが大事にしまっておいた黄金の塊だ。しかし、もうみんなその人たちは、どこへかいってしまった。