Classici giapponesi con furigana
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つぼ
壺
山本 周五郎
Leggi 壺 (つぼ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.624 caratteri · 34 schermate
甲斐があるというものだ、よかったらすぐに支度をして出るとしよう」「結構でございます、わたくしはべつに支度もいりません、これからすぐ表でお待ち申しております……」そう云って瘤七の出てゆくけはいがした。
勘定を済ませて三人の武士がたち去ると、木村外記は机に向ってしずかに墨をすりだした、いつものように書きものをはじめるとみえる、けれども筆をとるいとまはなかった、内庭から廊下へあがるあわただしい足音がしたと思うと、「ごめん下さいまし」と云いながらいきなりこの部屋の障子を開ける者があった、「おねがいでございます」というひきつったような女の声にふり返ってみると、敷居へ半分のめりこむようなかたちで、若い娘がひとりこちらを見あげていた、色白でふっくりとまるい顔に、おびやかされた小鳥のような眸子が大きくみひらかれている、「おねがいでございます」娘はふるえる声でけんめいに云った、「わたくしの良人に当る者のいのちが危ないのでございます、どうぞあなたさまのお力でお助け下さいまし、どうぞ」「わたしにはそんな力はない」外記はしずかに答えた、「どんな事情か知らぬが役人にでもたのんだらよいだろう」