Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なつのばんがたあったはなし

夏の晩方あった話

小川 未明

Leggi 夏の晩方あった話 (なつのばんがたあったはなし) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 1248 caratteri · 3 schermate

Aozora Bunko

「おじさん、こんど、あめ屋さんになったの。」

正ちゃんは、顔なじみの紙芝居のおじさんが、きょうは、あめのはいった箱をかついできたので、目をまるくしました。

「ほんとうだわ、おじさん、あめ屋さんになったの。」と、花子さんもききました。

「ええ、あめ屋になりましたよ。」

「どうして?」

「紙芝居がたくさんになって、話では、はやりませんから、これからあめで、なんでも造りますから買ってくださいね。」と、おじさんは、いいました。

そこへ、英ちゃん、誠さん、年ちゃんたちが集まってきました。

「おじさん、さるでも、たぬきでも、なんでも造れて。」

英ちゃんは、不思議そうに、おじさんの顔を見ました。

「いつ、おじさんは、けいこをしたんだい。」と、誠さんが、ききました。

「おじさんは、もとから、このほうがお話よりもうまいんです。」と、おじさんが、笑いました。

正ちゃんは、お家へ駆け出してゆきました。年ちゃんも、つづいてゆきました。お母さんに、おあしをもらってくるためです。そのうち正ちゃんは、にこにこしながら、もどってきました。

「なにをこしらえてもらうかな。」と、正ちゃんが頭をかしげました。