Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なつのそうれつ

夏の葬列

山川 方夫

Leggi 夏の葬列 (なつのそうれつ) di 山川 方夫 (やまかわまさお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 60.161 caratteri · 122 schermate

Aozora Bunko

お守り

――君、ダイナマイトは要らないかね?

突然、友人の関口が僕にいった。四、五年ぶりでひょっこり銀座で逢い、小料理屋の二階に上りこんで飲んでいる途中だった。

関口とは、高校までがいっしょだった。いま、彼は建築会社につとめている。だからダイナマイトを入手するのもさほど難しくはないだろうが、いかに昔から変わり者だった彼にしても、その発言はちょっと突飛だった。

――べつに。もらっても使いみちがないよ、ぼくには。

と、僕はいった。

――いま、ここにもってるんだけどな。

関口はいった。

もちろん、冗談にきまっている。僕は笑って彼の杯に酒をついだ。

――よせよ、おどかすのは。だいいち、すぐ爆発しちゃうんだろ? あぶないじゃないか。そんなものを、なぜもって歩かなくちゃならないんだい。

すると、関口はしゃべりはじめたのだ。

――いま、ぼくは妻と二人で団地アパートに住んでいる。一昨年の夏に申し込んで、待ちきれなくなって去年の春に結婚して、その秋になってやっと当選したんだから、まったく、そのときは天にものぼる気持ちだった。

まだ土になじまない芝生も、植えたばかりらしいひょろ長い桜も、みんなかえっていかにも新鮮で、やっと新婚らしい気分も味わえたような気がした。