Classici giapponesi con furigana
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やこうちゅう
夜光虫
織田 作之助
Leggi 夜光虫 (やこうちゅう) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 66.871 caratteri · 134 schermate
――どや、今夜はこれで幕ということにしようか」
と言った。
隼団の龍太に、もう喧嘩はやめようと言われて、豹吉は両の頬ににやっとえくぼを浮べながら、ペッと唾を吐き捨てると、
「そやなア。この演説屋の長講一席に敬意を表することにしようか。だいいち、おれは人をあっと云わせることは好きやが、売るのも買うのもあんまり好きやない」
そう言った途端、ふと渡辺橋で釣をしていた男の言葉を想い出した。
――「食わん魚釣って売るつもりか」
――「……? ……」
――「変な顔をするな。喧嘩のことや」
豹吉はいきなり呟いた。
「……あの男は死によったが、おれは死に損うた」
龍太は拳銃をポケットに入れると、
「じゃ、引きあげよう」
と、隼団の連中を連れて、引きあげかけた。
「一寸、待った!」
と、小沢は呼びとめた。
「まだ何か用か」
「うん。――その拳銃、僕に渡してくれ」
「何……?」
「君たちは、いや、僕ら日本人は警察官以外拳銃を持つことは許されていない。しかも君たちがそれを持っていることは、君たち自身ばかりでなく、日本人全体に迷惑が掛かる。――渡して行ってくれ」
「………」
「僕は君が拳銃を持っているのを、黙って見てるわけにはいかないんだ。