Classici giapponesi con furigana
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やこうちゅう
夜光虫
織田 作之助
Leggi 夜光虫 (やこうちゅう) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 66.871 caratteri · 134 schermate
「それより、大将、ついでやさかい、靴みがきまひょか。大将の靴ドロドロだっせ」
三郎がブラシを取り上げると、亀吉は、
「阿呆! 靴どころのさわぎか。兄貴を探すのにキリキリ舞いしてるんや。さア、ぼやぼやしてられん」
そわそわと行きかけたが、ふと戻って来ると、
「――お前ら、兄貴を見たら、おれが探してる、すぐハナヤか中之島の図書館イ行くように……。いや、中之島は行ったらいかん。ハナヤへ、ハバ、ハバ(早いとこ)行くように、おれが云うてたと、ことづけてくれ」
「オー・ケー」
亀吉は闇の中へ姿を消してしまった。
そのうしろ姿を見送りながら、次郎はぼそんと言った。
「なア、三郎公、掏摸テ豪勢なもんやなア」
「うん」
と、三郎も相槌を打った。
「――いつでも美味いもんは食べられるし……。フズーズボンチでも何でも……」
「阿呆! フルーツポンチや。フズーズボンチとちがうわい」
次郎はさっきと同じように、弟を叱りつけたが、ふと溜息をつくと、
「――しかし、三郎公、どう考えても掏摸テぼろいな。人の靴のドロとっても一円にしかなれへんけど、掏摸はまるどりやさかいな」
「ほな、掏摸になったらええなア」