Classici giapponesi con furigana
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やしゃがいけ
夜叉ヶ池
泉 鏡花
Leggi 夜叉ヶ池 (やしゃがいけ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 27.689 caratteri · 56 schermate
晃 世間の人には金が要ろう、田地も要ろう、雨もなければなるまいが、我々二人活きるには、百日照っても乾きはしない。その、露があれば沢山なんだ。(戸外に向える障子を閉す。)
百合 貴方、お暑うございましょう。開けておおきなさいましても、もう、そちこち人も通りますまい。
晃 何、更って、そんな心配をするものか。……晩方閉込んで一燻し燻しておくと、蚊が大分楽になるよ。
時に蚊遣の煙なびく、
学円。日に焼けたるパナマ帽子、背広の服、落着のある人体なり。風呂敷包を斜に背い、脚絆草鞋穿、杖づくりの洋傘をついて、鐘楼の下に出づ。打仰ぎ鐘を眺め、
学円 今朝、明六つの橋を渡って、ここで暮六つの鐘を聞いた。……
お百合は笊に米をうつす。
学円 やあ、お精が出ます。(と声を掛く。)
百合 はい。(見向く。)
学円 途中、畷の竹藪の処へ出て……暗くなった処で、今しがた聞きました。時を打ったはこの鐘でしょうな。
百合 さようでございます。
学円 音も尊い!……立派な鐘じゃ。鐘楼へ上ってみても差支えはありませんか。
百合 (笊を抱えて立つ)ええ、大事ござんせん。けれども貴客、御串戯に、お杖やなんぞでお敲き遊ばしては不可ません。