Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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よながひめとみみお

夜長姫と耳男

坂口 安吾

Leggi 夜長姫と耳男 (よながひめとみみお) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 27.604 caratteri · 56 schermate

Aozora Bunko

蛇のようにオレを裂いて逆さに吊すかも知れないと思った。そう思うと恐怖に息の根がとまりかけて、オレは思わず必死に合掌の一念であったが、真に泣き悶えて合掌したところで、あの笑顔が何を受けつけてくれるものでもあるまい。

この運命をきりぬけるには、ともかくこの一ツの方法があるだけだとオレは考えた。それはオレのタクミとしての必死の願望にもかなっていた。とにかくヒメに頼んでみようとオレは思った。そして、こう心がきまると、オレはようやく風呂からあがることができた。

オレは奥の間へみちびかれた。長者がヒメをしたがえて現れた。オレは挨拶ももどかしく、ヒタイを下にすりつけて、必死に叫んだ。オレは顔をあげる力がなかったのだ。

「今生のお願いでございます。お姫サマのお顔お姿を刻ませて下さいませ。それを刻み残せば、あとはいつ死のうとも悔いはございません」

意外にもアッサリと長者の返答があった。

「ヒメがそれに同意なら、願ってもないことだ。ヒメよ。異存はないか」

それに答えたヒメの言葉もアッサリと、これまた意外千万であった。

「私が耳男にそれを頼むつもりでしたの。耳男が望むなら申分ございません」