Classici giapponesi con furigana
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あやかしのつづみ
夢野久作怪奇幻想傑作選 あやかしの鼓
夢野 久作
Leggi 夢野久作怪奇幻想傑作選 あやかしの鼓 (あやかしのつづみ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 76.558 caratteri · 153 schermate
東洋銀行の小切手金一千円也を封入致しておきます。鶴原未亡人の名前ですが私の貯金の一部です。私の後を継いで下すった御礼の意味とお祝いの意味を兼ねて誠に軽少ですが差し上げます。尚私たちお互いの身の上は今まで通りとして一切を秘密にして下さい。鶴原家に来られてもです。
あやかしの鼓が百年の間に作って来た悪因縁が、君の手で断ち切れるか切れないかは二十六日の晩にきまるのです。同時に七年間一歩もこの家の外に出なかった僕が解放されるか否かも決定するのです。君の救いの手を待ちます。
三月十七日高林靖二郎
音丸久弥様
私はこの手紙を細かく引き裂いて自動車の窓から棄てた。ちょうど芝公園を走り抜けて赤羽橋の袂を右へ曲ったところであった。
眼の前の硝子板に私の姿が映ってユラユラと揺れている。
三越の番頭が見立ててくれた青い色の袷に縫紋、白の博多帯、黄色く光る袴、紫がかった羽織、白足袋にフェルト草履、上品な紺羅紗のマントに同じ色の白リボンの中折れという馬鹿馬鹿しくニヤケた服装が、不思議に似合って神妙な遊芸の若先生に見えた。ふだんなら吹き出したかも知れないがこの時はそれどころではなかった。