Classici giapponesi con furigana
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あやかしのつづみ
夢野久作怪奇幻想傑作選 あやかしの鼓
夢野 久作
Leggi 夢野久作怪奇幻想傑作選 あやかしの鼓 (あやかしのつづみ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 76.558 caratteri · 153 schermate
そうして「まあどうぞ……おつき遊ばして……それではあの……」という言葉をきくと間もなく顔を上げる事が出来た。その時にはじめて鶴原未亡人の姿をまともに見る事が出来た。
艶々した丸髷。切れ目の長い一重まぶた。ほんのりした肉づきのいい頬。丸い腮から恰好のいい首すじへかけて透きとおるように白い……それが水色の着物に同じ色の羽織を着て黒い帯を締めて魂のない人形のように美しく気高く見えた。
私はこの間からあこがれていた姿とはまるで違った感じに打たれて暫くの間ボンヤリしていた。ハテナ。自分は何の用でこの婦人に会いに来たのか知らんとさえ思った。
その時未亡人は前の言葉の続きらしく静かに云った。
「それで私は甥を叱ったので御座います。なぜおかえし申したかって申しましてね……若先生が音丸家の御血統で、あの鼓を御覧になりたいとおっしゃったならばこんないい機会は……」
さては私はまだ鼓を見ないことになっているのだな……と思って未亡人の顔を見た。けれどもその長い眉と黒く澄んだ眼の気品に打たれて又伏し眼になった。
「……なぜお眼にかけなかったのか。こんないい幸いなことはないではありませんか。