Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おおとりものせんにんつぼ

大捕物仙人壺

国枝 史郎

Leggi 大捕物仙人壺 (おおとりものせんにんつぼ) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 47.606 caratteri · 97 schermate

Aozora Bunko

「実は急に逢いたくってな、それで呼び出しをしたやつさ」

「用でもあるの? お話しおしよ」

「ねえ紫錦さん、俺らと一緒に、ちょっとそこ迄行ってくれないか」四辺を憚ってトン公は云った。

「行ってもいいがね、どこへ行くの?」

「金龍山瓦町へよ」

「浅草じゃないか、随分遠いね、それにこんなに晩になって」お錦は怪訝そうに云うのであった。

「それがね、至急を要するんだ」

「へえ不思議だね、何の用さ」

「逢いてえって人があるんだよ。是非お前に逢い度えって人がな。それが気の毒な病人なんだ」

「誰だろう? 知ってる人?」

「お前の方じゃ知らねえだろうよ。だが確かな人間だ。実は俺らの親方なのさ」

「お前の親方? 玉乗りのかい?」

「ああそうだよ。葉村一座のな。俺らその人に頼まれて、お前を迎いに来たってやつよ」

トン公はそこで気が付いたように、

「だがお前は出られめえな、なにせ大家のお嬢さんだし、もう夜も遅いんだからな」

「行くならこのまま行っちまうのさ」

「だが後でやかましいだろう?」

「そりゃあ何か云われるだろうさ」

「困ったな、では止めるか。止めにした方がよさそうだな」

「くずくず云ったら飛び出してやるから、そっちの方は平気だよ。