Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たいくうまかん

大空魔艦

海野 十三

Leggi 大空魔艦 (たいくうまかん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 31.098 caratteri · 63 schermate

Aozora Bunko

もう五秒も遅れると、大月大佐の身体は船体もろともに、氷の下にひきずりこまれたであろう。全く間一髪という危いところで大佐の生命は救われた。隊員おもいの大佐に、神様が救いの手をさしのべたせいであろう。

丁坊はこの息づまるような避難作業の一部始終を、魅いられるように氷上でみつめていたが、隊長が最後に救われたと知った瞬間、両眼から涙がどっと湧いてきて、眼の前がまったく見えなくなってしまった。

なんという感激すべき人達だろう。さすが日本人だ。

天幕生活

若鷹丸の沈んだ跡は、しばらくのうちは氷が船の形に明いていて、黒い水が淀んでいたけれど、そのうちにどこからともなく氷片がぶくぶくと浮いて来て、次第に白く蔽われていった。

氷上には、早速天幕が急造された。大きいのが一つに、小さいのが三つできた。

大きい方には、大月大佐以下二十名の隊員が入り、小さい三つの天幕には、陸あげされた器械や器具などが入れられた。

大月大佐は、大きい天幕の中に新しくつくられた席に腰をおろすと、

「おい、さっきの空魔艦から降ってきた日本少年をひっぱってこい」

と命じた。

達磨のような姿の丁坊は、左右から二人の隊員によってひっさげられ、隊長の前にひきすえられた。