Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.722 caratteri · 286 schermate
『日蓮ハ日本国ノ棟梁ナリ、予ヲ失フハ日本国ノ柱幢ヲ倒スナリ――』これは撰時鈔――」
白雲は再び小冊子をくりひろげて、いちいち書抜きを指点しながら、
「ともかく、こういう真実性を持った巨人が現われて来ますと、凡俗は驚きますよ。人間が生きている! というわれわれの無邪気なる驚異で済まされないのは、その立場をおびやかされやしないかという小人ばらの恐怖です。多年、糊で固めておいた自分たちの立場が、この巨人のために一息で吹き飛ばされては大変だ。そこで狼狽がはじまります、そこで小人が巨人を殺しにかかります」
「どうも困りものですね、巨人も小人も、共に生きてゆくわけにはゆきませんか」
駒井が浩嘆すると白雲が、
「それをするには巨人が韜晦して隠れるよりほかはありません……ところが日蓮においては、それが反対で、巨人自身があくまで戦闘的に出でたのですからね、たまりません……しかし、この巨人は、秀吉のように、家康のように、武力を持っているわけでもなんでもなく、前に申す通り旃陀羅の子ですからな、ほんとうに素裸です。しかるに敵はあらゆる武器を利用することができます」
といって白雲はお茶を飲みました。