Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.722 caratteri · 286 schermate
辺のことは御存じがなく、ただ自分は、むずかしい御主人のお供をして来ているのだとばっかり、信じきっているようでもある。
お雪ちゃんという子はわからない子だ、と浅吉は、これまでも幾度か首をひねらせられたのですが、今という今、ほんとに憎らしい子だ、と思いはじめました。
けれどもなお、一枚一枚と見てゆくうちに、お雪ちゃんを憎らしいと思う心が、いつか知らず絵本の中の主人公に溶け込んで、ついには今様源氏の光の君が憎らしくなりました。女という女から可愛がったり、可愛がられたり、さして深い煩悩も感ぜず、大した罪という自覚もないくらいだから、罪も作らず、最後には自分の可愛がった女を集めて、いちいちに局を与え、それに花を作らせて楽しむという生涯。男と生れたからには、この光源氏の君のようなのが男冥利の頂上だと、浅吉は、羨ましくなりました。そこで勢い浅吉は、一人の後家さんから完全に圧服されてしまって、グウの音も出ない自分というものの意気地無さかげんに、軽少ながら憤りの心をさえ起してみました。
「私だって男だ」
という義憤がむかむかと湧き起ったのは、この男としては珍しいことです。