Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.722 caratteri · 286 schermate

Aozora Bunko

「あんな婆さんに可愛がられては、男妾もやりきれまい」

岡焼半分に噂は絶えなかったが、後家さんは闊達なもので、愛嬌で泊り客をなめまわし、身銭をきっておごってみたり、踊りの時などは、先へ立って世話を焼いたりするものですから、つい人心を収攬してしまって、この色気たっぷりの後家さんが、この夏中の温泉の座持ちでありました。

そうしていま帰らなければ、御同様ここで冬籠りをするつもりかも知れない。

久助も、お雪も、その話を聞いて呆れてしまいました。しかし、呆れてしまった久助も、お雪も、この後家さんに面と向えば、そのお世辞に魅せられて滑らかに話が合って、いい気持になるのが不思議なくらいです。

ただ、なんだか気の毒で痛々しいのは、後家さんの連れて来た男妾だといわれる男で、ロクロク座敷から顔を出さないで、たまたま顔を出した時も、気の抜けたような色をしているものですから、

「あの分じゃ、今年中には精も根も吸い取られてしまうだろう」

勝手口でよけいな心配をすると、

「とぼしきったら、また新しいのを差代えらあな、金に不足はないし、あの色気じゃかなわねえ、この夏中、あの後家さんに吸いつかれたのが、少なくも五人はあったが、それでも吸い取られずに逃げたのが命拾いで、つかまったのが運の尽きさ」