Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 159.272 caratteri · 313 schermate
それが軽井沢の出来事によって誘発せられ、小諸、上田を通って行くうちに、ここで始めようかここで……と幾度も思い込んではみたが、衣裳やらなにかの都合でそうもゆかず、とうとう善光寺までそのままで来てしまったが、ここへ来て祭文を聞いたので、またも激しくそれが誘発され、もう矢も楯も堪らず、明日からは是が非でも武者修行だと、非常な昂奮を始め、地響きを立てて善光寺の門前を驚かしたものです。
そんなら、道庵先生自身は、それほど腕に覚えがあるのか――こういう先生のことだから、どこにどういう隠し芸を持っていないとも限らないが、軽井沢の宿でたいてい手並はわかっているではないか。しかし、昔をいえば道庵も、江戸市中の持余し者であった茶袋の歩兵を見事に取って押えて、群集をアッといわしたことがある。あれは天神真揚流の逆指という手で――道庵自身にいわせると二両取りの手だというが――それから柳橋では辻斬を取って押えたこともあるという。いざといえば、匙一本で二千人を殺したといい出す。
「先生は、まあ、昔でいえば張孔堂由井正雪といったようなもので、武芸十八般、何一つ心得ておいでにならぬのはない……」