Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 159.272 caratteri · 313 schermate
「こわい人――この人は――」
お玉は笑いながら、米友に引かるるままに、袖を引かれて来ました。
六
女軽業の親方のお角さんは、お気に入りのお梅ちゃんを連れて、浅草の観音様へ参詣の戻り道です。
「梅ちゃん、何ぞお望み、今日はなんでも好きなものを買って上げるから……」
「お母さん、千代紙を買って下さいな」
「千代紙――? ほんとにお前も子供だねえ」
お梅の子供らしい望みを笑いながら、お角は雷門跡から広小路へ出ました。
お角もこのごろは、痛し痒しの体で、興行は大当りに当ったが、お銀様というものに逃げられたのが癪で、金助をとっちめてみたところがはじまらない。
ともかく、切支丹奇術大一座の興行を、一世一代として見れば、この辺で水商売の足を洗いたくもあったのでしょうが、どうも世間というものは、そう綺麗さっぱりとくぎりをつけるわけにはゆかないと見え、お角に興行界を引退の意志があると見て、やれ馬喰町に宿屋の売り物があるから引受けてみないかの、地面家作の恰好なのがあるから買わないかの、上方料理の変った店を出してみる気はないかの、甚だしいのは、両国の興行をそっくり西洋へ持ち出してみる気はないかのと、八方から話を持ち込んで来るので、お角もうるさくなりました。