Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 159.272 caratteri · 313 schermate

Aozora Bunko

どのみち、娑婆ッ気が多く生れついてるんだから仕方がない――尼さんにでもなってしまわない限り、水を向けられるように出来てるんだと、お角も諦めはしたが、そうそうは身体が続かないよといって、この機会にお梅を連れて、伊豆の熱海の温泉へ、湯治と洒落れ込むことに了簡をきめたのです。

湯治に行く前に、お礼参りを兼ねて、今日は観音様へ参詣して、御籤までいただいて来たのですが、もう一つお角の腹では、今度の一世一代が大当りの記念として、浅草の観音様へ、何か一つ納め物をしようとの考えがあって、額にしようか、或いはまた魚河岸の向うを張った大提灯でも納めようか、そうでなければ、屋の棟に届くほどの金の草鞋を、仁王様の前へ吊してみようかのと、お堂を廻りながら、そういう趣向に頭を凝らしに来たのです。

お角の頭は、まだその趣向で、あれかこれかと悩まされ、往来の事なんぞは頓着なしに歩いて行くと、ある店の前でお梅がぴたりとたちどまって、

「まあ、いいわね」

詠嘆の声を洩らしましたので、お角もそれにつれて足を止めました。

見れば、お梅は羽子板屋の前に立っている。

まだ歳の市という時節でもないのに、この店では、もう盛んに羽子板を陳列している。