Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 159.272 caratteri · 313 schermate
「わたしも、豪傑だろうと思ったのさ」
「だからね、わたしたちじゃお歯にあわないから、力持のお勢さんを、あのお客様の接待係専門にしてしまおうじゃないか」
こんなことをいって、力持のお勢さんがちょうど、当番の日。
この日、白雲は、どこかでローマ字綴りの仮名をつけたのを、半紙へ幾枚か墨で書いてもらって来て、それを練習している。その時分、市内を訊ぬればしかるべき蘭学や、英語の塾はあるべきはず。それに入学して師につくの順序を厭うて、どこまでも独学で行くの寸法らしい。凝り出すとこの男も寝食を忘れる性質で、力持のお勢さんが来ても脇目もふらない。
力持のお勢さんも、この人にはなんだか畏敬が先に立つと見えて、お給仕の時も冗談が一ついえないで堅くなっている。
夕方、二階へ明りをつけに行って、恭しく引きさがって、自分は長火鉢の前に頬杖ついて留守居していると、
「今晩は……」
と訪れの声がして、格子戸がガラリとあきましたが、お勢さんは立たないで、
「どなた?」
と言いました。多分心安立ての仲間うちが来たものと思ったのでしょう。
「御免なさいよ」
それは聞いたような声でしたけれど、女ではありません。