Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 254.021 caratteri · 495 schermate

Aozora Bunko

「いや、そういうわけでもないよ、あいつだけが悪いのじゃない――」

と言ったが、神尾主膳はここでまた、むらむらと浮かぬ気になりました。

「鐚!」

本名の金助を、神尾は「金」では分に過ぎるからと言って、鐚と呼んでいる。そう呼ばれて、こいつがまた納まっている――

百一

いったん緩和しかけた神尾主膳の癇癪が、その時にまたむらむらっときざして来たのは、お絹という名を呼ばれたその瞬間からはじまったらしいのです。

そんなことにお気のつかない金公は、いい気になって、

「全く以てあのマダム・シルクときた日には、いつ、どこへお年をお取りなさるんだかわかりません、たまらないものでげす、ぶち殺してやりたいようなもんでげす」

と、ベラベラ附け加えてしゃべってしまったので、神尾の三つの目がまたも炎を出しながら、クルクルと廻転しました。

「びた公!」

と言った神尾の権幕の変っているのに思わずゾッとした鐚助は、それでも、これは食べつけている例の病気だなと、甘く見ることをも心得ているものですから、さあらぬ体で、それをあやなすつもりで、

「何事でげすかな」

「あの絹という女は、ありゃ、今では真実ラシャメンになりきっているのか」