Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 178.374 caratteri · 345 schermate
五体を見ると、逞しい黒青色の黒光り、腰には虎豹の皮を巻き、その上に夥しい人間の髑髏を結びつけている。背後は一面の鮮かな火焔で塗りつぶされている。よく見ると、その火焔の中に無数の蛇がいる。おお、蛇ではない、竜だ。夥しい小竜大蛇がうようよと火の中に鎌首をもたげているのみではない、なおよく見ると、あの臂にも、この腕にも、竜と蛇が巻きついている。
顔面はと見ると、最初は、正面をきった不動明王のようなのばかりが眼についたが、その左右に帝釈天のような青白い穏かな面が、かえって物凄い無気味さを以て、三つまで正面首の左右に食っついている。なおよく見ると、その三つの首のいずれもが三眼で、その眼の色がいずれも血のように赤い。その口には、牙をがっきと噛み合わせた大怒形。
なお、その振りかざした三十六臂のおのおのの持つ得物得物を調べてみると、合掌するもの、輪をとるもの、槊を執るもの、索を執るもの、羅を握るもの、棒を揮うもの、刀を構えるもの、印を結ぶもの、三十六臂三十六般の形を成している。
再び頭上を見直すと、さきには忿怒瞋恚の形相のみが眼に入ったが、その頭上は人間的に鬢髪が黒く、しかもおごそかな七宝瓔珞をかけている――