Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

Leggi 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 285.635 caratteri · 558 schermate

Aozora Bunko

『まあ、神主様でしたか?』

『お雪さん、考え過ぎてはいけませんよ』

『ビックリしましたわ』

『は、は、は、わたしの方でビックリしましたよ、また一人心中が持ちあがるのじゃないかと思って――』

『そんなことはありませんよ』

『それでも危ないものだ、お雪さん、もっとこっちへおいでなさい』

『どうして?』

『お前さんの、顔の色さしがいけません、もっと明るいところへおいでなさい』

『ずいぶん明るいじゃありませんか』

『自分で、自分の顔がわかりますか?』

変なことをいう神主様だと思いましたが、その時に、またふとわたしの胸に浮んだのは、では、自分でこそわからないが、このごろのわたしの顔色は、いつもと違っているのではないかしら。

もしかして、わたしに、林の中をしょんぼりと歩いていた浅吉さんの顔の色、あんな色が現われているのではないかと、それを思い浮べて、何ともいえないいやな心持に打たれました。

人が見たら、わたしの顔にも、あんないやな色が浮いているのではないか知ら……

その時に、神主様はまた高らかに打笑い、

『お前さんの顔は、可愛ゆい、邪気のない顔でしたが、このごろ、陰気になってきました。