Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Leggi 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 285.635 caratteri · 558 schermate
そうして、余物には眼もくれず、釜や、鍋や、どんぶりや、お鉢や、皿や、重箱の類、あらゆる食器という食器の蓋を取って見たり、のぞいて見たりしたが、やがて一方の食卓の前に腰をおろすと、そこらにありとあらゆる食物を掻き集め、皿にもり上げ、さじを取って食いはじめました。
この際、この闖入者の風貌を篤と見ると、眼が碧で、ひげの赤い異国人でありました。
田山白雲よりもいっそう肥大な形に、ボロボロになった古服とズボンをつけた、マドロス風の異国人であります。
どこの国の異国人だか、それは一向にわからないが、西洋種であり、マドロス風であり、乞食じみていることは、一見、争うべからざるのみならず、ガツガツ飢えきって、多分、一飯の恵みにあずかろうとしてここへ来て、ツイ出来心で、食物にカジリついたものであることはその挙動でもわかる。要するに、闖入者ではあるが強盗ではない。乞食を目的として来たものだろうが、乞食を職業としているものではあるまい。
流れ流れて来た流浪人としても、陸上からは、こんなのが流れて来るはずがない。太平洋の上を一人で流れて来るはずもない。こういう姿を、この際見るのは、降って湧いたようなものだが、何事の詮索よりも急なのは、飢えである。