Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Leggi 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 285.635 caratteri · 558 schermate
こっちへ来るまでには、相当の事情があったのだろうが、来た以上は、当人も往生しなければならないと知って、わがままではあったが、お客扱いは悪くはないから、熱くなっているものが、二人や三人ではなかったということ。
それでもまだ、旦那のほかに、男狂いをしたという評判は聞かない。
だから、今度のも男と逃げたのではあるまい、土地がイヤになって、江戸が恋しくなったのだろうという想像。
いや、旦那というのが、しつこくて、わからず屋で、その上に焼き手ときているので、それで松太郎がいや気がさしたのだろうという。
そうではない、それほどのわからずやでもない、かなり鷹揚なところもあって、松太郎も何か恩義を感じていたと見え――松太郎自身も、近いうちにこの稼業をやめて、本当のおかみさんになるのだ、とふれていたこともあるのだから、まんざらではあるまい。嫌って逃げたわけでもあるまい。しかし、ああいった女は当てになるものじゃない。とうの昔に、男が来て、しめし合わせておいて、ゆうべのドサクサまぎれに、首尾よく手を取って逃げたのだろう――その男の顔が見てやりたい、土地の者じゃあるまい、江戸の色男だろう――と、指をくわえる者もある。