Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Leggi 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 285.635 caratteri · 558 schermate
というと、女が少し乗り出して来て、
「そりゃ、それに違いありません、あなたがお足がおたっしゃで、わたしは生れて初めて草鞋というものを着けたような弱い女なんですもの……それを打捨っておいでなすったのですから、あたりまえのことですわ、足のたっしゃなお方が先に立って、足の弱いのが残されるのは、ほんとうに、あたりまえ過ぎるほどあたりまえのことなんです、どうしてお恨みなんぞ致すものですか」
仏頂寺がそれを聞いて、しきりにうなずいて、
「その通り、その通り、足のたっしゃな者が、足の弱い者を置去りにするのは、あたりまえすぎるほどのあたりまえだ、そうでなかった日には……」
仏頂寺は女の方に向き直って、
「時に御婦人、申し後れたが、拙者はこれなる片柳兵馬の友人で、仏頂寺なにがしと申す亡者でござるが、以来お見知り置きを願いたい。いったい、御身と兵馬と、なんらの因縁があるのだか、拙者共には更にわからないが、兵馬も歳が若いから、君もあまり、兵馬をいじめないようにしてもらわなければならぬ」
と言われて、女はにっこりと笑い、
「わたくしこそ申し後れましたが、改まってあなた様方へ、お近づきが願えるほどのものではございませぬ……浅間におりました時に、御厄介になりましたのが御縁でございます」