Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Leggi 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 285.635 caratteri · 558 schermate
お角がよそ目で見ると、この男は講釈を聞きに来たのではなく、講釈師の面を見に来たもののようであります。
それもただ見に来たのではなく、いやに皮肉に、そうかといって別に弥次を飛ばすでもなく、ニヤリニヤリと見ている様子が変です。
変なのは、そればかりでなく、この男がまた、百姓とも町人ともつかず、人品を見ると武士階級に属しているようなところもあるし、そうかといって両刀は帯びていないが、道中差は一本用意している。
寄席へ来るに道中差を用意するほどのこともなかろうが、なお左の膝の下に合羽を丸めているところを見ると、たしかに旅の者だ。旅の通りがけに、この席へ立寄ってみる気になったもので、いったん旅籠へ着いて出直したものではない。それにしても、何であんなにニヤニヤ笑いながらやにさがって、講釈師の面ばかり見ているのだろう。べつだんイヤ味があるではないから、イヤな奴とは思わないが、変な男だと見るには充分です。
そのうちに一席が済んで、つまりこの講釈師は、長講二席のうちの前講一席が済んで、暫く高座が空虚になった時分、変な男が、チラリと横を向いて、お角に話しかけて来ました、