Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

Leggi 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 285.635 caratteri · 558 schermate

Aozora Bunko

「なるほど」

「望みの通り、この福島で、三歳の毛附駒のこれならというのを買うには買い求めましたんでございますが……」

「馬を買いに来て、望み通りの馬が買えたんなら、なにも不足はなかろうじゃございませんか、泣くがものはなかろうじゃございませんか」

と道庵がたしなめ面にいうと、

「ところが、あなた、お聞き下さいまし、望み通りの馬を買うには買いましたが、ただで買ったわけじゃございません」

「そりゃきまってらあな、物を買おうというに、ただで売る奴があるものか」

「ところがお聞き下さいまし、そのお金がただのお金じゃございません、血の出るようなお金で、馬を買うには買ったのでございます」

「そりゃお前さん、誰だって、そう有り余る金を持っているときまったわけじゃなし、まして失礼ながら、お前さんのような水呑……じゃねえ、水の出端の若い人と違って、相当の年配になれば誰だって貧乏すらあな、その貧乏したところで馬を買って、道楽で引いて歩くわけじゃあるまい――愚老の若い時なんぞは、心得の悪い奴があって、飛んでもねえところから馬をひっぱって来るのを見得にした奴があったもので、今時の若いのには、そんなことはありませんがね……そういったたちの馬とも違って、お前さんなんぞは、その馬を買って、稼ぎに使おうというんだろう、その日かせぎのお駄賃取りなんだろ