Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

Leggi 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 285.635 caratteri · 558 schermate

Aozora Bunko

米友が空しく、その好風景の岩の上に立っていると、その時川で遽かに人の罵る声がします。

「川流れだあ」

この声で米友が思わず飛び上って、例の地団太を踏みました。

「ちぇッ」

地団太を踏んで、激しく身ぶるいをすると、

「川流れだあ」

続いて罵り騒ぐ声がするものですから、

「それ見たことか」

米友は身ぶるいして、槍を取り直して意気込みました。

「だから言わねえこっちゃねえ」

彼は再び、まっしぐらに岩から岩を飛んで、声する方に走り出しました。

「ちぇッ」

走りながらも、身をふるわして憤りを発しているところを見ると、その川流れ! という叫び声が、米友をして、われを忘れて憤りたたしめたものに相違ない。

「だから、言わねえこっちゃねえ」

ただ遠音に、川流れの警告を聞いただけで、米友の発憤ぶりは何事だろう。

この男は、それと聞いて、はや独断をしてしまっている。いま叫ばれた川流れの本尊こそは余人ではない、わが道庵先生に相違ない、と早くも独断してしまっている。だから、本能的に憤起して、超人間的に、岩と岩との間を飛びはじめたのです。

「だから言わねえこっちゃねえ」

自分がちょっと目をはなせば、もうこのザマだ、世話の焼けた話ったら……酔っぱらって、とうとうころげ込みやがった、軽井沢や、浅間の、ちょろちょろ水へ転げ込んだのと違って、天下の木曾