Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Leggi 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 285.635 caratteri · 558 schermate
「おい、医者だよ、お医者さんだよ、餅屋は餅屋だから、お医者を呼んで来ることが第一だ」
と米友が声高く叫びました。
「そのお医者が、留守なんでございますよ、出払ってしまいました」
「ちぇッ」
米友はここでも地団太踏んで、焦れったがりました。
「おい、早く火を焚きな、火を。そんな……丸太ん棒を持って来たってどうなるもんか、藁火だ、藁を持って来いやい」
と、米友が歯がみをして叫びました。
「その藁というものが、この地方には無えんでございます」
「ちぇッ……藁が無けりゃ、藁の代りになりそうな、麦稈でも、茅でも、それが無けりゃな、人の家の畳でもむしりこわして持って来ねえな」
と、米友が三たび叫びました。
だが、米友としても、地団太踏んで、こうして無茶に指図がましく人をがなりつけたけれども、これ以上に、どうしたら、差当っての救急療法かということを心得ているわけではありません。
取巻いていた一団の武士階級も、その辺にはかなり抜け目があるらしい。大小を取って、衣類を脱がせて、裸にして、水を吐かせて、相当の摩擦を加えてみようとの機転も利かないらしく、せめて柔術の手で、活法を施してみようとの修練も欠けているようです。