Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Leggi 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 285.635 caratteri · 558 schermate
「だって、おじさん……」
「いったい、お前は、この薩摩屋敷に巣をくう浪人たちのために、せっかく苦労してこしらえた財産を奪われたその恨みで、こんなところへ来て、そのかたきを取返すのだといって、力んでいたはずじゃないか」
「それは、それに違いないけれど、おじさん、商人は腹を立てちゃ損だということが、このごろわかってきたよ」
「なるほど……」
「そりゃあ一時は口惜しかったが、今となってみれば腹を立つだけが損で、本当の仕返しは、やっぱり算盤の上で行かなけりゃ嘘だと、つくづく思い当りましたよ。喧嘩をしないで、お得意にしちまえば、盗られたものを、楽に取り返すことができまさあね」
七兵衛は、徳間の山奥で砂金取りをしていたこの少年を見出だして以来、そのこましゃくれた面憎い言い分に、いつも言いまくられる癖がある。十五や十六の歳で、金儲けの話といえば寸分のすきもなく、金儲けの仕事といえばいっこう臆面がない。こんなのも珍しいと感心することもあるが、多くの場合には、そのこましゃくれを面憎く思う。
今も、その生意気な言い分が、ハリ倒してやりたいほどしゃくにさわっているとも知らず、