Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Leggi 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 368.567 caratteri · 720 schermate

Aozora Bunko

「なんだか淋しいから、千鳥かなにかをお聞かせ下さいましな、なんならわたしが琴でお合わせしてもようございます」

「そんなものを吹いちゃいられない」

「では、春雨でも、茶音頭でも、なんでもようござんすから、賑やかな、やさしいさびのあるのをお聞かせ下さいましな、追分なんぞも悪くはありませんね」

その時に、竜之助は、尺八は外曲を吹くべきものではない! と、言ってやりたくなりました。でも、そんなことを言っても甲斐がないと思い返していると、お浜が、

「ねえ、あなた」

「何だい」

「ごらんあそばせ、この着物を」

そこで竜之助が、遠く離れて御簾越しにお浜の手元をのぞき込んで見たが、畳む手つきは畳む手つきであって、畳まれる着物は畳まれる着物、特別に異状がありとも思われませんから、

「なんでもないじゃないか」

「まあ、よくごらんあそばせ、畳む着物も、畳む着物も、みんなこの通りでございます」

「どうしたんだい」

見ると、お浜のうしろには、今まで畳み上げた着物が、山のごとく積み重ねてあることを知りました。

だが、この通りでございます、といって示したこの通りが、どの通りだか、さっぱりわかりません。