Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Leggi 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 368.567 caratteri · 720 schermate
わしました。
多分、ここにおいて、はじめて秘密のものを発見し得た、これを此方のものにしておいて、これさえつきつければ一言もあるまい、その弱点を押えて、哀願する態度を見てやれば胸が透く――と、こんなふうに取ったのかも知れません。
なるほど、そこには、やさしい女文字の水茎のあとが、長々と紙の上にたなびいている。こういう手紙を人に知らさず認めて、胸を躍らせながら、やりとりすることは憎い!
しかし、御安心ください。この場合、この水茎のあとは、少しもピグミーの好奇、嫉妬、呪詛を満たすべき何物でもありませんでした。
それはお雪から、毎日、日課のようにして弁信にあてて書く手紙です。
「弁信さん――
どうしたのでしょう、このごろになって、この温泉へ、お客様が不意に殖え出してきましたのよ。
昨日は、またお若い旅のさむらいが、夜中においでになったかと思うと、今日はまた、そのお連れであるらしい二人連れのさむらいがおいでになりました。
前に見えた、若いお方は、なんとなしお痛わしいような、初心なところがありましたけれど、あとから来た二人のお方は、なんだか気味の悪いお方です。
一人は、筋骨の逞しい武芸者のようなお方、もう一人は、お医者さんの修業でもなさろうというような風采の書生さんですが――いま考えてみると、二人とも、どうも、どこやらでお目にかかっ