Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Leggi 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 368.567 caratteri · 720 schermate
ただそれを多量に持ち過ぎていることが、彼を苦しめたこと幾度か知れません。
都会にあって、見世物に出されて、人気を占めていた時は、多くの婦人が、貴婦人といわるべきものまでが、彼の身にこすりつくことを好んでいなかったか――あらゆる動物が彼を慕うて来る、毒蛇でさえも、狼でさえも――いわんや動物のうちの最も順良なる牛が、こうして、なついて来るのは、茂太郎にとっては少しも不思議なことではありませんでしたけれども、そのなつかしがりようが、あまりに濃厚なものですから、
「おや、お前はチュガ公じゃないか、ああ、チュガ公だね、チュガ公……」
茂太郎に驚喜の色があります。
九
チュガ公と呼ばれて仔牛は、前足をトントンと二つばかり鳴らし、クフンクフンと甘えるような息づかいをする。
「ああ、ほんとうにチュガ公だ。お前、久しく逢わなかったね、お父さんも、お母さんも達者かい」
そう聞かれて牛は、またクフンクフンと鼻を鳴らし、涎を垂らしはじめました。
「お父さんも、お母さんも達者だろう、なぜ、お前、今時分、ひとりで、こんなところへ来たの、みんなが心配するだろう、お父さんやお母さんも心配するだろう、牧場の番兵さんも心配するよ――ひとり歩きをするものじゃない」