Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Leggi 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 368.567 caratteri · 720 schermate
今度の予言が、お雪ちゃんの上にでも当てはまろうものなら大変だぜ。神主さんの言い草じゃないが、陽気に、ぽんぽんと話しに来るようにならなけりゃ、第一、われわれの気まで腐るさ」
「そう言ってみましょう」
久助が、叱られでもしたように恐れ入る風情を、兵馬が見て、
「あのお嬢さんは、あなたのお連れなのですか」
「ええ、左様でございます、私の近所の人でございます」
兵馬がこれを認めてしまっていると合点したものですから、ぜひなく久助が答えると、兵馬はつづいて、
「あなた方のほうの組は、お二人ですか」
「ええ、いいえ、まだほかに連れがございますんですが、病気でございますから」
「ははあ、では、あなた方は、ほんとうの湯治に来ていらっしゃるのですかね。あの方は、あなたのお娘さんではないのですか」
「私の娘ではございません、いわば主人といった筋でございます」
「そうですか、お部屋はどちらですか」
「あの三階の東に向いた、角でございます」
そこへ珍しくも、一方の廊下の入口から、お雪が姿を見せて、
「久助さん、お火種を少し下さいな」
「あ、お雪さんですか」
一同の者が、お雪の声を、不意に珍客でもおとずれたもののように聞いて、言い合わせたように、こちらを見ましたけれど、お雪の姿は柱に隠れて、縦にその半身だけしか見えません。