Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Leggi 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 268.946 caratteri · 520 schermate

Aozora Bunko

「おいらだけに通る理窟なら、世間一般に通らなけりゃならねえんだ、おいらは、まだ世間に通らねえ理窟を言った覚えはねえ」

と、米友がお雪ちゃんのためにたんかをきって、自分の信ずるままを強行しようとしますとお雪ちゃんは、ちょっと当惑をして、

「それはそうですけれども――」

「おいらが罪をきるからいいよ、お嬢様なんて、そんなに怖い女じゃねえよ」

米友はついに、籠を戸外の縁側へ押し出してしまいました。取縋ってみたところで、お雪ちゃんの力では、米友の地力を如何ともすることができません――だが、目に見えないあの暴君タイプのお嬢様の圧力が、この時も、うしろからひしひしとお雪ちゃんの背中に迫るように感ずるのに、米友は一向その辺になんらの気兼ねを持たないらしい。事実、今の世に、お銀様を恐れない人は、この男一人かも知れません。あの暴女王をつかまえて、目の前でポンポン争い得るものは、まずお雪ちゃんの知れる限りでは、この米友さんのほかにはないらしい。そうして、多くの人が、腫物にさわるように、あしらい兼ねている前で、つけつけと物を言って、自分も更に憚るところはないし、第一、当の暴女王その人が、黙ってこれを聞き流しているのみか、烈しく当られて、かえって暴女王が面をそむけて、米友の鉾先を避けようとすることさえあるのを見受けるのです。